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日本旅行のネット接続ガイド — eSIM・SIM・ポケットWiFiの選び方
eSIM・物理SIM・ポケットWiFiを価格・手軽さ・複数台利用で比較。Airalo・Ubigi等の料金、成田・羽田での購入方法、「使い放題」の実質制限とトラブル対処法まで解説。
3つの選択肢を比較する
日本でネットに繋ぐ方法は、eSIM、物理SIM、ポケットWiFiの3つ。端末の対応状況、旅行人数、滞在日数で最適解が変わります。
| eSIM | 物理SIM | ポケットWiFi | |
|---|---|---|---|
| 価格(7日間) | 各社公式を参照 | ¥1,980〜¥3,000 | ¥3,000〜¥10,000 |
| 購入場所 | オンライン(出発前OK) | 空港カウンター・自販機 | 空港カウンター or 事前配送 |
| セットアップ | QRコード読取(5分) | SIMカード差し替え | 電源を入れてWiFi接続 |
| 複数端末 | 1台のみ | 1台のみ | 5〜10台(機種による) |
| 電話番号 | なし(大半) | なし(大半) | なし |
| 充電 | 不要 | 不要 | 毎日必要 |
| 返却 | 不要 | 不要 | 空港等で必要 |
1人旅や2人旅で、eSIM対応端末があるならeSIMがコスパに優れています。ポケットWiFiのようにバッテリー切れの心配もなく、荷物も増えません。3人以上のグループで1台のルーターをシェアしたい場合や、eSIM非対応端末の場合はポケットWiFiか物理SIMの出番です。
eSIMのおすすめプロバイダ
日本で使えるeSIMプロバイダは多数あり、ほぼすべてがデータ通信専用(音声通話・SMS非対応)。主なプロバイダの料金を比較します。
データ容量固定プラン
| プロバイダ | プラン例 | 利用回線 |
|---|---|---|
| Airalo | 1GB〜100GB / 7〜30日間 | SoftBank / au |
| Ubigi | 3GB〜50GB / 15〜30日間 | au / NTT docomo |
| Saily | 1GB〜20GB / 7〜30日間 | NTT docomo |
| b-mobile eSIM | 3GB〜 | NTT docomo |
料金は表示通貨(USD/EUR等)がアクセス元の地域によって異なります。最新の価格は各社の公式ページで確認してください。
使い放題プラン
| プロバイダ | 期間 | 速度制限の条件 |
|---|---|---|
| Holafly | 7日〜90日 | 月90GBで256Kbps〜1Mbpsに低下 |
| Airalo Unlimited | 30日 | 1日3GBで1Mbpsに低下 |
| Ubigi Unlimited | 15日 | 約30GBで2Mbpsに低下 |
7日間の東京旅行で、Googleマップ・LINE・Web閲覧が中心なら1日300〜500MBが目安。3GBプランで足りる方が多いはず。動画視聴が多い場合や2週間以上の滞在なら、Holaflyなどの使い放題プランが安心です。
回線(ネットワーク)の違い
eSIMプロバイダによって、裏側で利用する日本の携帯キャリアが異なります。
- NTT docomo — 全国カバー率が3キャリアで最も広いとされる。地方や山間部にも強く、東京以外にも足を延ばすなら安定しやすい
- SoftBank — 都市部に強く、5Gエリアの拡大も積極的。東京・大阪・京都が中心の旅程なら問題なし
- au(KDDI) — docomoとSoftBankの中間的なカバー率で、都市部・郊外とも安定
東京23区内なら、どのキャリアでも体感の差はほとんどありません。東京23区の特徴も参考にしてください。富士山周辺や北海道、沖縄の離島に行く予定があれば、docomoネットワークのプロバイダ(Ubigi、b-mobile等)を選んでおくと安心です。
eSIMのセットアップ手順
設定は5分ほどで完了します。出発前に自宅のWiFiでインストールしておくのがおすすめ。日本到着後、空港のWiFiを探す手間が省けます。
iPhoneの場合
- eSIMプロバイダのサイトでプランを購入。メールまたはアプリでQRコードが届く
- 設定 → モバイル通信 → eSIMを追加 → QRコードを読み取る
- 「モバイルデータ通信」に新しいeSIMを選択
- 日本に到着したら、設定 → モバイル通信 → eSIM回線 → データローミングをオンにする
Androidの場合
- 購入後に届くQRコードを準備
- 設定 → ネットワークとインターネット → SIM → SIMの追加 → QRコードをスキャン
- 新しいSIMプロファイルを有効にする
- 日本到着後、ローミングをオンにする
対応端末の確認方法
自分のスマートフォンがeSIMに対応しているかは、以下の方法で確認できます。
- iPhone — 設定 → 一般 → 情報 を開き、「EID」の項目に32桁の番号が表示されればeSIM対応
- Android — 設定 → デバイス情報(または 端末情報)を開き、「EID」の項目があればeSIM対応。または 設定 → ネットワークとインターネット → SIM に「eSIMを追加」の選択肢があるか確認
EIDが見つからなければeSIM非対応なので、物理SIMかポケットWiFiを検討してください。
なお、2021年10月以降に日本で販売されたスマートフォンはSIMロックが禁止されており、SIMフリーの状態で出荷されています。海外から持ち込む端末も、キャリアのSIMロックが解除されていればそのまま使えます。
自国のSIMと併用する(デュアルSIM)
eSIMの大きな利点は、物理SIMカードを抜かずに使えること。iPhoneならeSIM+物理SIM、最近のモデルならeSIM+eSIMの構成で、自国のSIMをそのまま残しておけます。
これが重要な理由は、銀行アプリやSNSの二段階認証。自国の電話番号宛のSMSを受け取れないと、ログインできなくなるケースがあります。日本のeSIMをデータ通信用に設定し、自国のSIMは通話・SMS受信用に残しておくのが安全な構成です。設定画面でどちらの回線をデータ通信に使うか指定できます。
緊急通話について
データ専用のeSIM・物理SIMでは、110番(警察)や119番(消防・救急)への音声通話ができません。 緊急時はホテルのフロント、近くのコンビニのスタッフ、交番に助けを求めるか(東京での医療アクセスについては英語が通じる病院の探し方を参照)、自国のSIMに切り替えて国際ローミングで発信する方法があります。音声通話対応のSIMが必要な場合は、Mobal Voice Lite eSIMのような音声付きプランを検討してください。
空港で物理SIMを買う
eSIM非対応の端末を使っている場合、成田空港・羽田空港の到着ロビーで物理SIMを購入できます。
成田空港
- SIM自販機 — 第1〜第3ターミナルの1F等に計5台設置。自販機のため有人カウンターの営業時間外でも購入可能
- J WiFi & Mobile — 第1ターミナル北ウイング4F・南ウイング4F・中央ビル1F、7:00〜21:00
- AnyFone JAPAN — 第1ターミナル中央ビル1F、7:00〜21:00
羽田空港
- Mobile Center(第3ターミナル2F到着ロビー)— 6:00〜23:00
- AnyFone JAPAN(第3ターミナル2F到着ロビー)— 6:00〜23:00
- BIC CAMERA(第3ターミナル4F)— IIJmioやb-mobile等のSIMを店頭で購入可能
有人カウンターが閉まっている深夜・早朝の到着でも、SIM自販機なら購入できます。プラン内容を比較する余裕がなければ、自販機でサクッと買ってしまうのが手軽です。
主な物理SIMブランド
| ブランド | プラン例 | 利用回線 |
|---|---|---|
| b-mobile Visitor SIM | 5GB / 10日間: ¥1,980 / 7GB / 21日間: ¥2,970 | NTT docomo |
| IIJmio Japan Travel SIM | 3GB〜55GB / 最大30日間 | NTT docomo |
空港以外では、市中の家電量販店(ビックカメラ、ヨドバシカメラ)やコンビニ(ファミリーマート、ローソン)でもプリペイドSIMを販売しています。ファミリーマートとローソンではIIJmio等の旅行者向けSIMを取り扱っており、空港で買い忘れた場合の選択肢に。ただし、すべての店舗に在庫があるわけではなく、都市部の店舗に限られます。
SIMカードのサイズは最近のスマートフォンならほぼnano SIM。古い端末ではmicro SIMや標準SIMの場合もあるため、購入前に端末のSIMトレイを確認しておくと安心です。
ポケットWiFiが向いているケース
ポケットWiFi(モバイルルーター)は、1台で複数端末を接続できる小型の通信機器。以下のケースで選択肢に入ります。
- 3人以上のグループ旅行 — 全員でシェアすれば、eSIMを人数分買うより安い場合がある
- eSIM非対応端末が複数 — タブレット、ノートPC、ゲーム機も接続可能
- 大容量通信が必要 — Japan WirelessはFair Use Policyの記載がなく、大容量通信にも対応
主なレンタルサービス
| サービス | 料金目安 | 利用回線 | 同時接続 |
|---|---|---|---|
| WiFiBOX | ¥440〜/日 | — | 最大5台 |
| Japan Wireless | 約¥700〜/日 | SoftBank | 最大10台 |
| Ninja WiFi | ¥1,980/日(割引プランあり) | SoftBank 4G LTE | 公式サイト参照 |
ほとんどのサービスが成田・羽田のカウンターで受取・返却に対応しており、事前のオンライン予約が確実です。レンタル時にオプションで補償プラン(1日200〜300円程度)を付けられるサービスが多く、端末の紛失・故障が不安な場合は加入しておくと安心。
ポケットWiFiのデメリット
毎日の充電が欠かせません。バッテリー持続時間は機種により8〜20時間で、朝から夜まで外出する日は途中でバッテリーが切れるリスクも。モバイルバッテリーの持参を推奨します。グループで1台をシェアする場合、ルーターを持っている人と離れると全員がオフラインになる点にも注意が必要です。帰国時には空港カウンターか返却ボックスに返す必要があり、返却を忘れると1日あたり数百〜数千円の延滞料金がかかります。
「使い放題」プランの実態
eSIMやポケットWiFiの「使い放題」「Unlimited」を謳うプランの多くは、一定のデータ量を超えると速度が大幅に落ちます。低速化後は128Kbps〜1Mbps程度になり、Googleマップの読み込みが遅くなるだけでなく、動画再生はほぼ不可能に。
具体的な制限:
- Holafly — 月90GBを超えると256Kbps〜1Mbpsに低下。テザリングも1日1GBまで
- Airalo Unlimited — 1日3GBを超えると1Mbpsに低下
- Ubigi Unlimited 15日 — 約30GBを超えると2Mbpsに低下
速度制限を避けたいなら、Japan WirelessのポケットWiFiのようにFair Use Policyの記載がないサービスが選択肢。eSIMの「使い放題」を購入する際は、各社の公式ページでFair Use Policy(公正利用ポリシー)の条件を確認してから判断するのがおすすめです。
電話番号が必要になる場面
データ専用のeSIM・物理SIMには日本の電話番号が付きません。東京観光では電話番号なしでもほぼ困りませんが、いくつか例外があります。
- PayPayの登録 — SMS認証に日本の電話番号(080/090/070)が必須。ただし旅行者はPayPayなしでも問題ありません。決済手段ガイドで代替の支払い方法を紹介しています
- 電話での予約 — 一部のレストランや施設は電話予約のみ対応(最近はオンライン予約が主流なので、遭遇する機会は少ないはず)
どうしても日本の電話番号が必要な場合、Mobal Voice Lite eSIMが選択肢のひとつ。初期費用3,300円+月額990円で、070/080/090の日本の番号が付いたeSIMを利用でき、在留カードや日本の住所がなくても契約可能です。
通話やメッセージのやりとりは、LINEをデータ通信で使えば十分。日本で広く普及しているメッセージアプリで、データ接続さえあれば電話番号は不要です。
うまくいかない時
| 症状 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 到着後「圏外」のまま | データローミングがオフ | 設定 → モバイル通信 → eSIM回線 → データローミングをオン |
| QRコードを読み取れない | ピントが合わない / 画面が暗い | QRコードを拡大表示し、明るい場所で再試行 |
| 通信が極端に遅い | 速度制限に到達 / 古いAPN設定が干渉 | 不要なAPN設定を削除。制限到達ならデータを追加購入 |
| eSIMのインストールに失敗 | WiFi接続が不安定 | 安定したWiFi環境で再試行。空港WiFiが不安定ならカフェ等で |
| 端末がeSIM対応かわからない | — | iPhoneは設定→一般→情報でEIDを確認。Androidは設定→デバイス情報でEIDを確認 |
多くの接続トラブルは、機内モードのオン→オフか端末の再起動で解消します。それでもダメなら、eSIMプロバイダのサポートに連絡してください。
フリーWiFiで補う
eSIMやポケットWiFiを使っていても、フリーWiFiを併用するとデータ通信量を節約できます。
TOKYO FREE Wi-Fiは東京都が運営する無料WiFiで、渋谷・新宿・浅草・銀座・秋葉原・お台場などの観光エリアに設置。接続時にメールアドレスの登録が必要です。コンビニ(ファミリーマート、ローソン)やカフェチェーン(スターバックス、タリーズ、ドトール)でも無料WiFiが使えます。JR東日本の主要駅(山手線沿線、新幹線停車駅)にもWiFiスポットがあり、JNTO(日本政府観光局)のWiFiガイドで接続可能なスポットを確認できます。
ただし、フリーWiFiだけで旅行を乗り切るのは難しいのが正直なところ。接続スポットを離れるとオフラインになるため、移動中にGoogleマップや乗換案内が使えなくなります。フリーWiFiはあくまでデータ節約の補助手段と考え、eSIM・物理SIM・ポケットWiFiのいずれかは持っておくのが無難です。
まとめ — 出発前にeSIMを入れておくのが手軽
eSIM対応端末を持っているなら、出発前にeSIMをインストールしておくのがいちばん手間がかからない方法。空港に着いた瞬間からGoogleマップで移動ルートを調べられるのは大きな安心材料になります。eSIM非対応の端末でも、成田・羽田の到着ロビーで物理SIMが手に入るので焦る必要はありません。グループ旅行ならポケットWiFiのシェアも合理的な選択。いずれにしても、東京のフリーWiFiだけに頼るのは避け、自分専用のモバイルデータ接続を1つは確保しておくと安心です。
参考:
- 総務省「ガイドライン(SIMロック解除関係)」https://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eidsystem/competition12_01.html (アクセス日: 2026-02-27)
- 成田国際空港「インターネット/Wi-Fi/携帯電話」https://www.narita-airport.jp/en/service/internet/rental/ (アクセス日: 2026-02-27)
- 羽田空港 Mobile Center https://tokyo-haneda.com/en/shop_and_dine/detail/tenant_00435.html (アクセス日: 2026-02-27)
- JNTO「WiFi & Connectivity」https://www.japan.travel/en/plan/wifi-and-connectivity/ (アクセス日: 2026-02-27)
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