M O N E Y
外国人が日本でクレジットカードを作る方法 — 信用情報ゼロからの審査対策
海外カードが使えないサービスが日本には多い。信用情報ゼロの「スーパーホワイト」状態でも審査に通るカードを、CICの仕組みとあわせて解説。
海外カードだけだと何が起きるか
日本に住み始めて最初に気づくのが、海外発行のVisa/Mastercardが「レジでは通るのに、オンラインサービスでは弾かれる」という現実です。
メルカリが使えない
日本最大のフリマアプリであるメルカリは、海外発行のクレジットカードを受け付けていません。Visa、Mastercardなど国際ブランドであっても、日本国外で発行されたカードは決済不可です。来日直後に中古の家具や家電を安く揃えたい場面で、これは痛手になります。
PayPayに登録できない
QRコード決済で国内トップのPayPay(登録ユーザー7,000万人以上)は、海外発行カードの登録ができない場合があると公式ヘルプに記載されています。個人経営の飲食店で「カード不可、PayPayのみ」というケースは珍しくなく、PayPayが使えないと行ける店の幅が狭まります。
モバイルSuicaにチャージできない
Suicaアプリの公式FAQでは、海外発行カードは原則として登録・利用不可とされています。Apple Pay経由のチャージも海外カードでは制限が増えている状況です。駅の券売機で現金チャージは可能ですが、オートチャージやアプリからの入金ができないのは日常的に不便です。
iD・QUICPayが使えない
Apple Pay/Google Payに海外カードを登録しても、日本独自のFeliCa決済(iD、QUICPay)は利用できません。EMVコンタクトレス(タッチ決済)は使えますが、iD/QUICPayのみ対応の端末では決済不可です。この仕組みの詳細は東京の決済事情のApple Payセクションで解説しています。
ETCカードが作れない
高速道路のETCカードは日本のクレジットカードの付帯カードとして発行されるため、海外カードからは作れません。代替手段のETCパーソナルカード(年会費1,257円+デポジット)は外国人も在留カードで申込可能ですが、手続きは日本語のみです。
公共料金・動画配信サービス
電気・ガス・水道のクレジットカード継続払いも、海外カードでの登録は困難です。口座振替(銀行口座からの自動引落し)で代替できるので、実害は限定的ですが選択肢は狭まります。Hulu JapanやdアニメストアなどNTTドコモ系のサービスも海外カード非対応です。一方、NetflixやSpotifyなどグローバルサービスは海外カードでも問題なく利用できます。
「スーパーホワイト」—— 審査に通らない理由
日本のクレジットカード審査では、CIC(株式会社シー・アイ・シー)という信用情報機関のデータが参照されます。CICには、クレジットカードやローンの契約内容、毎月の支払い状況が記号で記録されています。
来日したばかりの外国人は、CICにデータが一切ありません。この状態が「スーパーホワイト」です。
厄介なのは、スーパーホワイトが「過去に自己破産して、事故記録が時効で消えた人」と見分けがつかない点です。CICの事故情報は5〜10年で自動消去されるため、30代以上で信用情報が白紙だと、金融事故後のリセットを疑われることがあります。
海外でどれだけ信用実績があっても、日本のCIC・JICC・KSCには反映されません。この3機関はCRIN・FINEという仕組みで相互に情報を共有していますが、連携は国内3機関の間だけです。米国のFICOスコアが高くても、日本ではゼロからのスタートになります。
在留期間も審査に影響します。残り期間が短いと「帰国して未払い」のリスクがあるため、在留期間1年以上が審査通過の一つの目安です。
カードを手に入れるまで
信用情報が白紙の状態からカードを取得するには、段階を踏む必要があります。
携帯電話の端末を分割払いで購入する
docomo、au、SoftBankなどでスマートフォンを分割払い(割賦契約)で購入すると、毎月の支払い記録がCICに登録されます。対象になるのは端末代金の分割払いであり、毎月の通信料ではありません。
割賦契約の審査はクレジットカードの審査より通りやすく、信用情報を作る最初の一歩として現実的です。
ただし、1回でも支払いが遅れると「A(未入金)」マークがCICに記録されます。 これは信用を積むどころか、審査でマイナスに働きます。遅延は絶対に避けてください。
6ヶ月〜1年、遅延なく支払いを続ける
CICの記録では、毎月の入金状況が「$(入金済み)」「A(未入金)」などの記号で管理されています。「$」マークが6ヶ月以上連続で並ぶと、クレジットカード審査でプラスに評価される目安になります。理想は「$」が24ヶ月連続の状態です。
本人確認書類の住所を最新にしておく
クレジットカードの申込時には本人確認書類の提出が必要です。書類の住所と申込住所が一致していないと、審査以前の段階で手続きが止まります。引っ越し後に変更を忘れているケースは多いので、申し込む前に確認してください。
在留カード: 転入届を出す際に、区役所・市役所の窓口で裏面に新住所が記載されます。転居から14日以内の届出が入管法で義務付けられています。手続きの詳細は引っ越し後の区役所手続きをご覧ください。
マイナンバーカード: 転入届と同時に区役所・市役所で住所変更が可能です。カード裏面の追記欄に新住所が記載されます。暗証番号の入力が必要なので、忘れている場合は再設定の手続きが発生します。
運転免許証: 管轄の警察署または運転免許センターで変更します。住民票の写し(発行から6ヶ月以内)とマイナンバーの記載がないものが必要です。免許証裏面に新住所が記載されます。
流通系カードに申し込む
信用実績ができたら、審査基準が比較的柔軟な流通系カードに申し込みます。楽天カードやエポスカードなど、外国人の申し込み実績がある流通系カードが候補になります。
申し込み時のポイントとして、キャッシング枠を0円にすると審査のハードルが下がります。日本の銀行口座と携帯電話番号は事前に用意しておいてください。まだどちらもない場合は、携帯と銀行口座のジレンマで解決手順を解説しています。
うまくいかない時
審査に落ちた場合: 同じカードにすぐ再申込しないでください。CICでは申込情報が照会日から6ヶ月間保有されます。短期間に複数社へ申し込むと、その履歴がすべて残るため、カード会社から「手当たり次第に申し込んでいる」と判断される要因になります。最低6ヶ月は空けてから再度検討するのが基本です。
携帯の分割審査にも落ちた場合: 端末を現金一括で購入し、通信契約だけ結ぶことは可能です。この場合CICに割賦の記録は残りませんが、携帯電話自体は持てます。家電量販店のショッピングクレジット(分割払い)も割賦契約としてCICに登録されるため、クレヒス構築の別ルートになります。
自分の信用情報を確認したい場合: CICの情報開示サービスから、インターネット経由で自分の信用情報を確認できます(手数料500円)。「$」がきちんと並んでいるか、「A」が付いていないかをチェックできます。
カード取得前の生存戦略
クレジットカードを手に入れるまでの間、海外カードを補う手段があります。
デビットカード: 日本の銀行口座を開設すれば、VisaデビットやJCBデビットを審査なしで発行できます。CICにクレヒスは残りませんが、オンラインサービスの一部ではクレジットカード代わりに使えます。
プリペイドカード: KyashやバンドルカードなどのVisa対応プリペイドカードは審査不要で発行可能です。日本発行のプリペイドカードなら、メルカリでも利用できるケースがあります。
公共料金は口座振替で: クレジットカード払いにこだわらず、銀行口座からの口座振替を選べば問題なく支払えます。
関連記事
- 東京の決済事情 — PayPay、Suica、クレジットカードの使い分け
- 携帯と銀行口座のジレンマ — クレカ申請にも関わる電話番号と銀行口座の問題
- 東京で部屋を探す方法 — 賃貸契約時の保証会社審査にも信用情報が影響する
参考:
- CIC『信用情報とは』https://www.cic.co.jp/confidence/index.html (アクセス日: 2026-02-17)
- CIC『CICが保有する信用情報』https://www.cic.co.jp/confidence/posession.html (アクセス日: 2026-02-17)
- CIC『信用情報の交流(CRIN・FINE)』https://www.cic.co.jp/confidence/exchange/ (アクセス日: 2026-02-17)
- CIC『情報開示とは』https://www.cic.co.jp/mydata/ (アクセス日: 2026-02-17)
- メルカリ『クレジットカード払いについて』https://help.jp.mercari.com/guide/articles/23/ (アクセス日: 2026-02-17)
- PayPay『登録可能なクレジットカードの種類』https://paypay.ne.jp/help/c0063/ (アクセス日: 2026-02-17)
- モバイルSuica『Suicaアプリケーションに登録できるクレジットカード』https://apfaq.mobilesuica.com/faq/show/1483?category_id=45&site_domain=default (アクセス日: 2026-02-17)
- 出入国在留管理庁『住居地の変更届出(中長期在留者)』https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00023.html (アクセス日: 2026-02-17)
- ETCパーソナルカード https://www.etc-pasoca.jp/service/ (アクセス日: 2026-02-17)