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外国人が東京で賃貸を探す全手順【初期費用・保証人・UR】
東京の賃貸は初期費用が家賃4〜5ヶ月分。保証人不要でも保証会社を使えば契約できる。敷金ゼロ物件の探し方、UR賃貸の条件、「外国人お断り」への対処法、公的相談窓口の連絡先、2年契約の更新料・退去時の原状回復費用の目安まで網羅。最短2週間で入居可能。
外国人の賃貸探し、実際のところ
法務省が2016年に行った調査によると、住居を探した外国人のうち約40%が国籍を理由に入居を断られた経験がある。一方、日本賃貸住宅管理協会(JPM)の調査報告では、宅建業者の約90%が外国人の入居を受け入れている。ただしこの数字は仲介業者(ブローカー)の話であり、大家(物件オーナー)の受け入れ率はそれより低い。断る理由は必ずしも差別ではなく、コミュニケーションの不安や手続きの不慣れが背景にあることも多い。
こうした状況を改善するため、行政も動いている。国土交通省は14言語の賃貸借契約書テンプレートやガイドラインを公開しており、東京都も独自の支援ページを運営している。2025年10月には改正住宅セーフティネット法が施行され、外国人をはじめ住まい探しに困難を抱える人への支援体制が新たに整備された。
※上記の法務省調査は2016年時点のものであり、その後制度面では改善が進んでいる。
入居までの全体スケジュール
知り合いの外国人エンジニアの中には、来日後の最初の1ヶ月をシェアハウスやマンスリーマンションで過ごし、その間に物件を探して2ヶ月目から自分の部屋に住み始めた人が多い。一般的な流れは次のとおり。
1. エリアを決める(1〜3日) 通勤先と予算から候補を絞る。23区内か多摩エリアか。
2. 物件を検索する(3〜7日) ポータルサイトで物件を探し、候補をリストアップし、不動産屋に連絡する。
3. 内見する(1〜3日) 実際に足を運んで見る。1日3〜4件が目安。
4. 申し込み・審査(3〜7日) 書類を提出する。保証会社と大家が申し込みを審査する。
5. 契約・入居(1〜3日) 重要事項説明を受け、契約書にサインし、鍵を受け取る。入居後は住所変更届、銀行口座の開設、ライフラインの手続きが必要。入居日以降にやるべきことは東京ではじめてのひとり暮らしを参考に。
合計:最短2週間、余裕をもって4週間。
滞在期間で最適な住居が変わる
| 滞在期間 | おすすめの住居タイプ | 初期費用の目安 |
|---|---|---|
| 3ヶ月未満 | マンスリーマンション・シェアハウス | 3万〜15万円 |
| 3ヶ月〜1年 | 普通の賃貸(敷金ゼロ・礼金ゼロ) | 20万〜30万円 |
| 1年以上 | 普通の賃貸またはUR賃貸 | 20万〜45万円 |
6ヶ月未満の滞在なら、初期費用35万〜45万円の通常の賃貸契約よりマンスリーマンションのほうがトータルで安くなるケースが多い。6ヶ月以上なら通常の賃貸のほうが割安になる。
繁忙期に注意
東京の賃貸市場には明確な季節リズムがある。1〜3月がもっとも忙しい。4月に年度が始まるため、大学入学・新卒入社・企業の異動が一斉に重なる。この時期は良い物件がすぐに埋まる。土曜日に内見して、月曜の朝には別の人が契約済み、という話は珍しくない。
4〜8月は比較的落ち着いている。新着物件は減るが、ライバルも減るのでじっくり探せる。9〜10月には下半期の異動でやや動きが出る。
タイミングに融通が利くなら、1〜3月の繁忙期を避けたほうが余裕をもって探せるし、家賃や手数料の交渉もしやすくなる。
エリアの選び方
東京は大きく**23特別区(23区)と多摩地域(26市)**に分かれる。どこに住むかで家賃・通勤時間・日常の暮らしやすさが大きく変わる。
23特別区
交通の便が良い反面、家賃は高め。SUUMOの家賃相場データによると、1K/1DKの平均は月7万〜12万円(ワンルームはもう少し安い)で、区によって大きな差がある。外国人コミュニティが根づいている区や多言語の行政サービスが充実している区もある。
区ごとの特徴は東京23区ガイドを参照
多摩地域
同じ予算で広い部屋に住める。同じSUUMOのデータでは、多くの市で1Kの平均が月5万〜7万円。公園や緑が多く、ファミリー層にも人気。
路線別の解説は多摩地域の市ガイドを参照
決め方のポイント:
勤務先が決まっているなら、Yahoo!乗換案内やGoogleマップでドアtoドアの通勤時間を確認するのが先決。「23区内」イコール「便利」とは限らない。たとえば吉祥寺(武蔵野市、23区外)から新宿まではJR中央線快速で約15分だが、大泉学園(練馬区、23区内)から新宿までは乗り換え込みで30〜40分かかる。
家賃の目安は手取りの3分の1以内(URの家賃予算ガイドも参考に)。手取り25万円なら家賃8万円前後が目安になる。その予算で上記のSUUMOデータを見ると、荒川区・葛飾区・足立区など東部の区か、多摩の中央線沿線が現実的な選択肢に入ってくる。日本でまだクレジットカードを持っていない人は外国人のためのクレジットカードガイドで審査の仕組みを確認しておくとよい。
初期費用(家賃の4〜5ヶ月分が目安)
はじめて東京で部屋を借りる人が一番驚くのが、入居前に支払う金額の大きさ。家賃8万円の物件を例に内訳を見てみよう。
| 項目 | 金額 | 内容 |
|---|---|---|
| 敷金(しききん) | 0〜16万円 | 退去時に修繕費を差し引いて一部返金。首都圏の家賃10万円未満の物件で60%以上が敷金ゼロ |
| 礼金(れいきん) | 0〜8万円 | 大家への「お礼」。返金なし。ゼロ礼金の物件は増加傾向 |
| 仲介手数料(ちゅうかいてすうりょう) | 8.8万円 | 法定上限は家賃1ヶ月分+税(大家・借主合算)。借主の負担は本来0.5ヶ月分+税だが、ほとんどの場合1ヶ月分で同意書を交わす |
| 前家賃(まえやちん) | 8万〜16万円 | 日割り分+翌月分の家賃を前払い |
| 保証会社費用(ほしょうがいしゃひよう) | 4万〜8万円 | 家賃の50〜100%。毎年更新あり |
| 火災保険(かさいほけん) | 1.5万〜2万円 | 2年契約が一般的 |
| 鍵交換(かぎこうかん) | 1万〜3万円 | 前の入居者からの鍵を交換する |
合計:家賃8万円の物件で約35万〜45万円。
敷金ゼロ・礼金ゼロの物件を選べば25万円以下に抑えられる。ただし、敷金ゼロ物件は退去時にクリーニング費用が定額で請求されるケースがある。契約前に退去時費用を確認しておこう。
必要な書類
以下があればほとんどの物件に申し込める。ただし物件ごとに細かい違いはある。
- 在留カード — 外国人住民としての基本身分証。ビザの種類と有効期限が記載されている。コピーの提出が必要
- パスポート — 在留カードとあわせて本人確認に使う
- 収入証明(しゅうにゅうしょうめい) — 直近3ヶ月分の給与明細、または課税証明書(かぜいしょうめいしょ)。審査では年収が家賃の36倍以上あるかが一つの目安になる
- 在籍証明書(ざいせきしょうめいしょ) — 勤務先が発行する。学生の場合は在学証明書で代用
- 日本国内の緊急連絡先(きんきゅうれんらくさき) — 名前・電話番号・続柄。友人や同僚でも可
印鑑(いんかん)を求められる場合もあるが、外国人は署名で代用できるケースが増えている。事前に不動産屋に確認しておくとよい。
来日直後で住所登録がまだの人でも、在留カードがあれば申し込みは可能。一般的な流れとしては、契約前に転入届を出す。日本の電話番号があるかどうかも重要で、不動産屋や保証会社は電話で連絡を取りたがる。番号がないとやり取りがスムーズに進みにくい。物件探しを始める前に電話を用意しておくのがおすすめ。詳しくは電話と銀行口座の循環問題を参照。
保証人問題の解決方法
従来の日本の賃貸契約では連帯保証人(れんたいほしょうにん)が必要だった。借主が家賃を滞納した場合に法的責任を負う人のことで、日本に深い人間関係のない外国人にとっては大きなハードルだった。
今は違う。**保証会社(ほしょうがいしゃ)**が標準になった。ほとんどの賃貸物件で保証会社の利用が条件になっているため、個人の保証人がいなくても契約できる。
仕組み:
- 初回保証料:家賃の50〜100%(家賃8万円なら4万〜8万円)
- 年次更新:年1万円程度、または家賃の10〜30%
- 審査対象:ビザの種類・収入・雇用状況
外国人に特化した多言語対応の保証会社も増えている。「外国人 保証会社」で検索すればいくつか見つかるし、JPMの外国人向けサポートページにも関連情報がまとまっている。
とはいえ、自分で保証会社を探す必要はないことが多い。不動産屋が物件に合った保証会社を紹介してくれる。聞くなら「外国人の入居実績がある保証会社を使えますか?」と一言伝えればいい。
物件の探し方
探し方は大きく二つある。
日本語の物件検索サイト(物件数が最多)
日本人が部屋を探すときの標準ルート。ポータルサイトで検索し、気になる物件を扱う不動産屋に連絡し、店舗を訪問して内見に行く。外国人向けサービスよりも圧倒的に物件数が多い。日本語が読めるか、ブラウザの翻訳機能を使えるなら、ここが一番選択肢が広い。
- SUUMO — 物件数最多の大手不動産ポータル
- LIFULL HOME’S — 大手不動産ポータル。FRIENDLY DOORで外国語対応の不動産店舗を検索できる
英語対応のサービス
日本語がハードルになる場合、これらのプラットフォームは外国人の入居が承認済みの物件だけを掲載している。
- GaijinPot Apartments — 全物件が外国人受け入れ確認済み。バイリンガルの仲介サポートあり
- wagaya Japan — 英語・中国語・ベトナム語対応。外国人承認済みの物件が多い
- Real Estate Japan — 東京の賃貸を英語で検索できる
不動産屋での会話例
店舗を訪れたとき、こんなやり取りが役に立つ。
あなた:「○○駅の近くで、家賃8万円以下で探しています」
担当者:「間取りのご希望は?」
あなた:「1Kで大丈夫です。駅から徒歩10分以内だと助かります」
コツ: 事前にメールか電話で外国人の対応が可能か確認しておくと、無駄足を避けられる。
内見から契約まで
内見(ないけん)は必ず行こう。写真だけでは分からないことが多い。
内見で確認すべきポイント:
- 窓を開けて日当たりと騒音をチェック
- 浴室の水圧と排水口のにおい
- 収納スペース(写真より狭いことが多い)
- 最寄りのスーパーとコンビニまでの距離(東京のコンビニは食品以外にもさまざまな用途に使える。詳しくはコンビニガイドを参照)
気に入った物件があったらその場で申し込もう。 1〜3月の繁忙期には、内見した日の夕方に別の人が申し込みを出していることもある。「一晩考えてから」と言ったら翌朝には募集が終了していた、というのは繁忙期によくあるパターン。
内見前に「譲れない条件」を決めておくこと。家賃の上限、駅からの許容距離、絶対に必要な設備。基準が明確なら、迷わずにその場で判断できる。
申し込み後、保証会社と大家が審査を行う。有効なビザがあり、年収が家賃の36倍以上あれば、3〜7日で結果が出るのが一般的。
審査に通ると、重要事項説明(じゅうようじこうせつめい)を受ける。宅地建物取引士が物件の条件を法に基づいて説明するもので、基本的に日本語で行われる。ただし、国土交通省が多言語の書類テンプレートを用意しているので、事前に不動産屋に自分の言語の資料があるか聞いておくとよい。
外国人だからと断られた場合
実際に起こりうることだ。知っておくべきことをまとめる。
不動産適正取引推進機構の法的分析によると、国籍のみを理由に入居を拒否することは日本の法律上、不法行為に当たる可能性があり、裁判で損害賠償が認められた事例もある。ただし、現行法では大家に契約を強制することはできない。
現実的な対処法:
特定の物件に固執するより、外国人の入居が事前に承認されているサービスに切り替えるのが早い。GaijinPot ApartmentsやReal Estate Japanの掲載物件は、すべてオーナーの承認済み。
困ったときに使える無料の公的相談窓口もある。
- FRESC(外国人在留支援センター) — JR四ツ谷駅すぐ、四谷タワー13階。4省庁8機関がワンストップで対応。電話:0570-011000
- 東京都多言語相談ナビ — 14言語対応の無料電話相談。0120-142-142(平日10:00〜16:00)
UR賃貸(保証人不要・礼金なし)
UR都市機構は、民間の賃貸で外国人が直面するいくつかのハードルを取り除いた公的賃貸住宅を運営している。
- 保証人不要
- 礼金なし
- 仲介手数料なし
- 更新料なし
家賃8万円の物件なら、初期費用は敷金+日割り家賃+共益費で約20万円。民間の半分以下で済む。
申し込み条件:
- 中長期の有効な在留カード(就労ビザ、留学ビザなど)
- 月収が家賃の4倍以上(家賃8万円なら月収32万円以上)
- 代替条件:貯蓄が家賃の100倍(同じ物件なら800万円)、または一括前払い
UR物件は民間に比べて数が少なく、立地も限られるが、保証人問題や初期費用がネックになっている場合には有力な選択肢だ。
トラブルへの対処法
| 状況 | 対処法 |
|---|---|
| 審査に落ちた | 不動産屋に理由を聞く。ビザの残り期間が短いのが原因なら、更新後に再申し込みを。別の保証会社に変えると通るケースもある |
| 国籍を理由に繰り返し断られる | 外国人専門のサービス(GaijinPot、Real Estate Japan)に切り替える。UR賃貸も検討 |
| 初期費用が出せない | 敷金ゼロ・礼金ゼロの物件で絞り込む。分割払いに対応する不動産屋もある |
| 契約書が読めない | FRESC(0570-011000)または東京都多言語相談ナビ(0120-142-142)に相談。不動産屋に多言語の契約書テンプレートを依頼する |
| 気に入る物件が見つからない | 条件を見直す。駅徒歩10分を15分に広げる、築年数の条件を緩める、隣の駅も候補に入れるだけで選択肢が増える |
契約更新と退去
東京の賃貸契約はほとんどが2年間。更新時には家賃1ヶ月分の更新料(東京エリアの標準)に加え、火災保険の更新(1.5万〜2万円)と保証会社の更新(1万円前後)がかかる。UR賃貸なら更新料は不要。
退去するには、管理会社または大家に書面で通知する必要がある。通知期限は退去予定日の1〜2ヶ月前が一般的だが、契約書で確認すること。通知が遅れると、退去後も家賃が発生する可能性がある。
退去時には原状回復(げんじょうかいふく)が求められるが、新品の状態に戻すという意味ではない。国土交通省のガイドラインによると、通常使用による消耗——日焼けした壁紙や自然な床のすり傷——は大家の負担。借主が負担するのは、タバコのヤニ、釘穴、ペットによるひっかき傷など、故意または過失による損傷のみ。退去時のクリーニング費用は部屋の広さによって異なり、1R/1Kで2万〜3万円、1LDK以上で4万〜6万円が目安。
敷金を払っていた場合、原状回復費とクリーニング費を差し引いた残額が返金される。敷金ゼロで契約した場合は、退去時にクリーニング費が別途請求される。
賃貸以外の選択肢
通常の賃貸契約のハードルが高いと感じたら、別の道もある。
シェアハウス
保証人不要で、初期費用は数万円程度。家賃に光熱費やインターネット代が含まれていることも多い。オークハウスやクロスハウスが大手。来日直後の最初の拠点として利用する人が多い。東京で友達をつくる方法のきっかけにもなる。
マンスリーマンション
家具付きの部屋を月単位で借りる。通常の賃貸より割高だが、保証人不要で即入居できる。じっくり長期の部屋を探す間のつなぎとして使える。
社宅・住宅手当
日本企業に入社する場合は、住宅手当(じゅうたくてあて)や社宅(しゃたく)について人事に確認を。部屋探し自体が不要になる可能性がある。
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参考資料:
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LIFULL HOME’S「2025年敷金・礼金トレンド調査」https://lifull.com/news/45530/(参照:2026-02-16)
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不動産適正取引推進機構「国籍を理由とした入居拒否の分析」https://www.retpc.jp/archives/30909/(参照:2026-02-16)
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東京都多言語相談ナビ https://tabunka.tokyo-tsunagari.or.jp/soudan/navi.html(参照:2026-02-16)
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出入国在留管理庁「FRESC」https://www.moj.go.jp/isa/support/fresc/fresc01.html(参照:2026-02-16)
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国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html(参照:2026-05-07)
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国土交通省「宅地建物取引業者が受けることのできる報酬額の上限」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html(参照:2026-05-07)
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