W O R K
ITエンジニアを志した筆者の新卒就活体験記
サマーインターン、コーディングテスト、学生ITコミュニティ——ITエンジニアを目指した23卒院生の就活体験を、留学生にも伝わるように書き起こした記録。
筆者が通った就活ルート
日本の新卒就活スケジュールは政府が定めており、大学3年の3月に情報解禁、6月から選考開始、10月に内定というのが建前です。この制度の全体像は日本の就職制度と慣習で解説しています。ただ、筆者(23卒・大学院修士・バックエンドエンジニア)の就活は、この流れとはかなり違いました。
マイナビは大学で登録させられたものの一度もログインしませんでした。大学の就職課も使っていません。ESやSPIも経験していません。代わりに使ったのは、エンジニア特化の就活プラットフォームと学生ITコミュニティでした。
筆者が通ったルートはこうです。
学生ITコミュニティ/エンジニア就活サービス → サマーインターン → 特別選考 → 早期内定(M1の秋)
筆者の就活タイムライン
23卒・院生(情報系)の筆者がどう動いたか、時系列で紹介します。
学部1年〜: ITベンチャーでアルバイト開始
大学に入ってすぐ、ITベンチャー企業でアルバイトを始めました。これは就活を意識していたわけではなく、プログラミングに興味があったから。ただ、結果的にこの実務経験が就活で大きな武器になりました。
筆者の周りでは、本選考の段階で何かしらの実務経験を持っている学生が多かったです。学部1年から始める必要はありませんが、本選考までにはバイトやインターンで実務に触れておかないと、面接で技術の話を実務レベルで話せず苦しくなる場面があります。
M1の夏: サマーインターン参加
サポーターズの1on1イベント(1日で複数の企業と面談できるイベント)で企業と出会い、そこからサマーインターンの誘いを受けて応募しました。参加したのは3日間の短期インターン。最初から興味のある2社に絞って動いていました。
M1の秋: 特別選考 → 内定
サマーインターン参加者には特別選考ルートが用意されていました。通常の選考では書類選考+面接5回だったところ、書類選考が免除され、面接は3次からスタート。インターンからの人事担当者が継続してサポートしてくれて、選考のアドバイスももらえました。
11月頭には2社から内定が出て、就活終了。入社後の社会保険や年金の仕組みは外国人の健康保険と年金で解説しています。筆者の周りでも、同じくらいの時期に決まっている人はいました。
決め手
最終的に今の会社を選んだ理由は2つ。雰囲気が自分に合っていたことと、事業の幅が広く部署異動で色々なことに挑戦できそうだったこと。インターンで実際に社員と話し、職場の空気感を体験できていたからこそ判断できた部分です。
学生ITコミュニティという分水嶺
この就活で最も重要だったのは、学生ITコミュニティの存在です。
筆者は大学1年の時点でサポーターズを知っていました。サポーターズは国内の主要なIT就活プラットフォームのひとつで、1on1面談イベント、ハッカソン、技術勉強会(技育プロジェクト)を年150回以上開催しています。
このような場にいるかいないかで、見える世界が変わります。
大手のtoBの企業(法人向けサービスを提供する会社)は消費者向けの知名度が低いため、コミュニティにいないとそもそも存在を知る機会がありません。マイナビやリクナビで深く探さないと辿り着けない企業が、サポーターズの1on1では普通に出てきます。
IT就活で使うべきサービス
サポーターズ — エンジニア就活のメインプラットフォーム。1on1イベントで企業と直接面談できます。サマーインターンの入口になることが多いです。
connpass — IT勉強会のプラットフォーム。毎月数百件のイベントが開催されており、学生でも無料で参加できます。気になる技術の勉強会に出て、懇親会で話を聞いてみてください。うまくいけば勉強会の運営に携わることもでき、それ自体が面接で話せるアドバンテージになります。
大学・地域の学生ITコミュニティ — 大学や地域ごとにエンジニア学生のコミュニティが存在します。所属している先輩から就活の情報が自然と流れてくるため、早めに見つけて参加しておくと有利です。
筆者が受けた面接の内容
筆者が受けた面接では、技術の話と課外活動の話がおおよそ半々でした。
技術面
筆者が受けた企業のなかには、面接官の前でコードを書く「ライブコーディング」を課すところがありました。概念的な設計を口頭で説明しながらコーディングする形式です。
ある面接では「AWSを自由に使えるとしたらどういう構成にしますか?」という質問が出ました。筆者は個人開発の経験をもとに、運用コストを抑えた構成と、その技術選定の理由を説明しました。教科書的な知識ではなく、実際に手を動かした経験が問われている感覚でした。
また、Trackというオンラインコーディングテストも複数の企業で受けました。SPIの代わりにコーディングテストがあるイメージです。
課外活動・志望動機
技術以外の質問ももちろんありました。「学生時代に頑張ったこと」「なぜこの会社か」といった質問はIT企業でも聞かれます。筆者は学友会の活動や大学祭の実行委員の経験を話しました。技術力だけでなく、チームでの取り組みも見られていた印象です。
コーディングで実力を示せる場がある
筆者の経験から言えることとして、IT企業の選考にはコードで実力を示せる場面があります。コーディングテストやライブコーディングは技術力で勝負できる場です。ESや面接の受け答えだけでなく、実際に手を動かして見せられるのはエンジニア就活の大きな特徴です。
うまくいかない時
サマーインターンに落ちた場合
サマーインターンに参加できなくても、秋冬インターンがあります。ただし、サマーインターンと比べると機会は少なくなるかもしれません。また、通常選考(一般エントリー)からでも内定は出ます。
実務経験がない場合
今からでも間に合います。勉強会に参加して技術コミュニティに入る、個人開発でポートフォリオを作る、ハッカソンに出る。これらはすべて面接で話せる材料になります。無料で参加できるハッカソンや勉強会も多いので、探してみてください。
情報が入ってこない場合
これが最も危険なパターンです。大学の就職課やマイナビだけに頼っていると、IT就活の実態に辿り着けません。まずサポーターズのようなITエンジニア就活に特化したサービスに登録し、勉強会を探してください。コミュニティに入ることで、情報は自然と流れてきます。
別の方法
IT就活のルートはサポーターズだけではありません。
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| サポーターズ | 1on1イベント・ハッカソン中心。学生コミュニティの側面もある |
| paiza新卒 | コーディングテストのスキルランクで応募できる企業が決まる |
| Track Job | プログラミングチャレンジ経由で企業とマッチング |
| 外資就活ドットコム | 外資系・日系大手のIT職を探せる |
給与・待遇に関しては、IT企業は年俸制を採用しているところが多く、求人情報に明記されていることがほとんどです。調べれば出てきます。
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参考:
- 内閣官房『就職・採用活動に関する要請』https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou/index.html (アクセス日: 2026-02-18)
- 株式会社サポーターズ 公式サイト https://biz.supporterz.jp/ (アクセス日: 2026-02-18)
- connpass 公式サイト https://connpass.com/ (アクセス日: 2026-02-18)
- 株式会社ギブリー『Track Test』https://tracks.run/ (アクセス日: 2026-02-18)