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東京の保育園・幼稚園ガイド
認可保育園と幼稚園の違い、保活スケジュール、ポイント制度、必要書類、費用と無償化制度まで。東京で子育てする外国人家庭向けに公的データで整理。
保育園・幼稚園・認定こども園の違い
東京で子どもを預けられる施設は、大きく3種類あります。
| 保育園(認可保育所) | 幼稚園 | 認定こども園 | |
|---|---|---|---|
| 対象年齢 | 0歳〜就学前 | 満3歳〜就学前 | 0歳〜就学前 |
| 保育時間 | 7時〜18時頃(延長保育あり・時間は各園による) | 9時〜14時頃(預かり保育で18時頃までの園もある) | 保育園枠・幼稚園枠で異なる |
| 就労条件 | 必要(「保育の必要性」認定) | 不要 | 枠による |
| 管轄 | こども家庭庁 | 文部科学省 | こども家庭庁 |
| 給食 | あり(義務) | 園による(弁当の園も多い) | あり |
| 申込先 | 区役所 | 各園に直接 | 枠による |
保育園は「保育」が目的で、共働き家庭やひとり親家庭が利用します。幼稚園は「教育」が目的で、保護者の就労状況に関係なく入園できます。認定こども園はその両方の機能を持った施設です。
共働きで0〜2歳の子どもを預けたい場合は保育園一択です。3歳以上で片方の親が自宅にいる場合は、幼稚園も選択肢に入ります。幼稚園の「預かり保育」を使えば18時頃まで預けられる園もあるため、短時間勤務やパートタイムの家庭でも利用できることがあります。ただし長期休暇(夏休み約40日、冬休み・春休み)中に預かり保育を実施しない園もあるので、共働きの場合は事前に確認が必要です。
保育園の種類を整理する
「保育園」と一口に言っても、東京にはいくつかの種類があります。
認可保育所(にんか ほいくじょ) — 国の基準(保育士の人数、部屋の広さ、設備など)を満たして都道府県知事の認可を受けた施設です。保育料は区が世帯の住民税額に応じて決めるため、どの認可園に入っても同じ区内なら同額。2024年時点で東京都内の認可保育所の定員は約32万人まで拡大しています。
東京都認証保育所(にんしょう ほいくしょ) — 東京都独自の制度で、認可基準は満たしていないものの都が定めた基準をクリアした施設です。駅前に設置されていることが多く、13時間以上の開所が義務づけられています。保育料は施設ごとに設定されますが、月220時間以下の利用で月額上限は8万円(3歳未満)。区市町村が認めた場合は上限が引き上げられることもあり、練馬区では104,000円が上限です。区によって補助金が出ることもあります。
認可外保育施設 — 上記以外の保育施設。インターナショナルプリスクールもここに含まれます。保育料は施設が自由に設定しており、施設ごとの差が大きいのが特徴です。
幼稚園の入園ルート
幼稚園には公立と私立があり、入園の流れが異なります。
私立幼稚園(東京の幼稚園の大多数)の場合:
- 春〜夏に園見学・説明会に参加
- 10月15日から願書配布
- 11月1日に願書提出(東京都の私立幼稚園は原則この日)
- 面接(園によって形式が異なる)
- 合格通知・入園料納入
- 翌年4月に入園
私立幼稚園の入園料や月謝は園によって差が大きいですが、幼児教育・保育の無償化制度で月額2.57万円まで補助されます。
公立幼稚園は区が運営しており、入園手続きの時期や方法は区によって異なります。保育料は無償化で無料ですが、教材費やPTA会費などの実費は保護者負担です。東京都内の幼稚園は約800園が私立で、公立は少数です。近くに公立がない場合もあります。
保活スケジュール
保育園の4月入園を目指す場合、正式な申込は前年10〜11月です。ただし見学や情報収集を考えると、前年の春から動き始めるのが現実的です。以下は荒川区の2026年4月入園スケジュールに、見学・情報収集の一般的な時期を加えた流れです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 前年4〜6月 | 情報収集。区役所の保育課で入園案内の冊子をもらう |
| 前年5〜9月 | 保育園の見学。新年度の4月入園児が落ち着く5月以降がベスト |
| 前年10月上旬 | 申込書類の配布開始(荒川区: 10/1) |
| 前年10〜11月 | 1次申込の受付(荒川区: 10/27〜11/10) |
| 前年12月 | 希望園変更・不足書類の締切 |
| 1月下旬 | 1次結果の通知(荒川区: 1/23) |
| 1〜2月 | 2次申込の受付(1次で不承諾だった場合) |
| 2月中旬〜下旬 | 2次結果の通知 |
| 3月 | 入園準備(面接・健康診断) |
| 4月1日 | 入園 |
見学は1園あたり1時間程度かかります。希望園を複数書くことを考えると、いくつか回っておくと比較しやすくなります。見学は予約制の園がほとんどなので、電話で事前連絡が必要です。
申込方法は区によって異なり、電子申請・窓口・郵送のいずれかです。
途中入園(年度途中) も可能ですが、空きのある園にしか申し込めないため選択肢はかなり限られます。締切日は区によって異なるため、区の保育課に確認してください。
ポイント(利用調整指数)制度の仕組み
認可保育園は希望者全員が入れるわけではありません。定員を超える申込があった場合、区が「利用調整指数」というポイントで優先順位を決めます。
世帯の指数 = 父の基準指数 + 母の基準指数 + 調整指数
荒川区の例で見ると:
| 就労状況(保護者1人あたり) | 基準指数 |
|---|---|
| 月20日以上・1日8時間以上勤務 | 20 |
| 月20日以上・1日6〜8時間未満 | 18 |
| 月16日以上・1日8時間以上 | 18 |
| 妊娠・出産 | 12 |
つまり、両親ともフルタイム(月20日×8時間以上)なら基準指数は20+20=40。ここに調整指数が加算・減算されます。
加点の例(荒川区の例): 育休から復帰する(+4)、きょうだいが同じ園に在園(+2)、ひとり親世帯で就労(+4)
減点の例(荒川区の例): 65歳未満の祖父母が同居し保育可能(-6)、保育料を6ヶ月以上滞納(-20)
注意点として、ポイントの配点は区によってまったく異なります。荒川区のフルタイム勤務(月20日×8時間以上)は1人20点ですが、江戸川区はフルタイム勤務(月20日×7時間以上)で50点。配点も条件も区ごとに違うため、点数表を単純に比較できません。必ず住んでいる区の基準を確認してください。
同点になった場合は、区ごとの優先順位(ひとり親世帯の優先、住民税額が低い世帯の優先など)で判定されます。
外国人家庭が準備する書類
申込に必要な書類は区によって多少異なりますが、共通して求められるものを整理します。
全世帯共通:
- 教育・保育給付認定申請書(入所申込書)
- 保育の必要性を証明する書類(就労証明書、診断書など)
- マイナンバー確認書類
外国人家庭で追加が必要になるもの:
- 在留カード(表裏)の写し
- 「家族滞在」の在留資格で就労する場合は資格外活動許可(在留カード裏面に記載)
- 外国語の書類には和訳の添付が必要(港区の例: 本人以外の第三者が翻訳したもの)
就労証明書は勤務先が発行しますが、書式は日本語です。英語の雇用証明書しか出せない企業の場合は和訳を添付する必要があります。
申込書類自体も日本語のみ。英語版の申込書が用意されている区は確認できませんでした。区役所の窓口で通訳サポートを受けながら記入するのが現実的です(後述の「多言語サポート」参照)。
費用と無償化制度
国の無償化制度
2019年10月から始まった幼児教育・保育の無償化で、保育料の負担は大幅に軽くなっています。
| 対象 | 施設 | 無償化の範囲 |
|---|---|---|
| 3〜5歳(全世帯) | 認可保育所 | 全額無償 |
| 3〜5歳 | 幼稚園 | 月額2.57万円まで |
| 3〜5歳 | 幼稚園の預かり保育 | 月額1.13万円まで |
| 3〜5歳 | 認可外保育施設 | 月額3.7万円まで |
| 0〜2歳(住民税非課税世帯) | 認可保育所 | 全額無償 |
| 0〜2歳(住民税非課税世帯) | 認可外保育施設 | 月額4.2万円まで |
無償化の対象外となる費用もあります。通園の送迎バス代、給食の食材費、行事参加費などは保護者負担です。
東京都独自の上乗せ
東京都はさらに独自の無償化を進めています。
- 2023年10月〜: 0〜2歳の第2子以降の認可保育料を無償化
- 2025年9月〜: 0〜2歳の第1子の認可保育料も無償化(所得制限なし)
つまり、2025年9月以降、東京都内の認可保育所では0〜5歳すべての基本保育料が実質無償です(給食食材費・送迎バス代等の実費は別途)。
認可外保育施設を利用する場合は施設ごとの料金設定があり、国や都の補助を超える分は自己負担になります。認証保育所の場合、区によって独自の補助金を出しているケースも(例: 中野区は月額7万円まで補助)。
外国人家庭が使える多言語サポート
書類が日本語のみという壁はありますが、サポートは用意されています。
東京都多言語相談ナビ(TMC Navi)
無料の電話相談窓口で、保育園の申込方法について14言語で相談できます。
- 電話: 0120-142-142(通話無料)
- 時間: 月〜金 10時〜16時(祝日・年末年始除く)
- 対応言語: 日本語(やさしい日本語)、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、ヒンディー語、ネパール語、ロシア語、タガログ語、フランス語、インドネシア語(全14言語)
- サービス内容: 生活相談、専門機関の紹介、通訳サポート、多言語無料法律相談(予約制)
区役所の窓口通訳
区によっては窓口で多言語通訳サービスを利用できます。
- 港区: 三者通話サービス(スマホまたはタブレットで言語を選択 → 通訳オペレーターが電話越しに職員との会話を通訳)。13言語対応。
- 大田区: 多言語通訳サービス(保護者・通訳・職員の3者通話)
- 豊島区: 外国人相談窓口
住んでいる区にどんなサポートがあるか、保育課に電話する前にまず区の公式サイトで「外国人相談」「多言語」で検索してみてください。
10月の申込を逃すとどうなるか
4月の1次申込に間に合わなかった、または不承諾(落選)だった場合の選択肢です。
2次申込に回る — 1次で定員に達しなかった園があれば2次募集が行われます。1次で不承諾になった場合は自動的に2次判定の対象になる区が多いですが、念のため確認を。
途中入園を申請する — 毎月の空き枠に応募できますが、年度途中の空きは少なく競争率は高め。
認可外保育施設を利用する — 認可に入れるまでの「つなぎ」として認証保育所や認可外施設を使う方法。認可外に預けている実績が翌年の申込でポイント加算になる区もあります。
東京都のベビーシッター利用支援事業 — 0〜5歳児クラスの待機児童(または育休1年満了後に復職希望)の保護者が対象で、1時間150円でベビーシッターを利用できます(1日最大11時間)。保育所に入所できるまでの代替措置として設計された制度です。
待機児童は減っている
「保育園に入れないかもしれない」という不安があるかもしれませんが、状況は年々改善しています。
東京都の待機児童数は2025年4月時点で339人。ピーク時の8,586人(2017年)からは大幅に減少し、62自治体中33が待機児童ゼロを達成しています。保育サービスを利用している児童は32万3,420人で、就学前児童の61.3%にあたります。
ただし区によって差はあり、世田谷区(47人)、町田市(40人)など一部の地域ではまだ待機が発生しています。人気のある園・エリアでは希望通りにならないこともあるため、希望園は複数書くのが基本です。
別の方法
認可保育園・幼稚園以外にも、東京には子どもを預ける選択肢があります。
企業主導型保育事業 — こども家庭庁が推進する制度で、企業が従業員のために設置する保育施設。「従業員枠」と「地域枠」があり、地域枠は一般の家庭も利用可能です。
インターナショナルプリスクール — 英語環境で保育・教育を行う施設。多くは認可外保育施設として運営されています。費用は施設によって大きく異なりますが、3〜5歳なら国の無償化制度で月額3.7万円まで補助を受けられる場合があります。
ファミリー・サポート・センター — 地域の助け合い制度で、子どもの一時預かりや送迎を依頼できます。1時間800〜1,000円程度(区によって異なる)。定期的な保育の代替にはなりませんが、お迎えが間に合わない日や急な用事のときに使えます。
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保活のスケジュールを知っているかどうかで、4月入園の結果が変わることがあります。「10月に申し込めばいい」と分かっていれば、夏に見学を済ませ、書類を準備する余裕が生まれます。日本語の壁はありますが、多言語サポートを使えば乗り越えられます。
※本記事は2026年2月時点の情報に基づいています。保育制度は年度ごとに変更されることがあります。最新の情報は、お住まいの区の保育課またはこども家庭庁の公式サイトでご確認ください。
参考:
- こども家庭庁『幼児教育・保育の無償化概要』https://www.cfa.go.jp/policies/kokoseido/mushouka/gaiyou (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都福祉局『認可保育所等について』https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/ninka (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都福祉局『東京都認証保育所一覧』https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/ninsyo/ichiran (アクセス日: 2026-02-28)
- 荒川区『令和7年度4月入園申込み』https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a037/kosodate/r0704.html (アクセス日: 2026-02-28)
- 荒川区『利用調整指数表』https://www.city.arakawa.tokyo.jp/a037/kosodate/hoikuen/shisu.html (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都『都内の保育サービスの状況(2025年4月)』https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/08/2025082917 (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都つながり創生財団『東京都多言語相談ナビ』https://tabunka.tokyo-tsunagari.or.jp/soudan/navi.html (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都私立幼稚園連合会『入園について』https://www.tokyo-kindergarten.jp/raise_children/admission/ (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都福祉局『ベビーシッター利用支援事業』https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/hoiku/bs/bs7nendo (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都オープンデータ『保育所等の定員と待機児童数』https://portal.data.metro.tokyo.lg.jp/visualization/capacity-daycare-centers-children-waiting-lists/ (アクセス日: 2026-02-28)
- 東京都福祉局『ファミリー・サポート・センター事業』https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/kosodate/famisapo (アクセス日: 2026-02-28)
- 港区『区立幼稚園』https://www.city.minato.tokyo.jp/gakkouuneishien/kodomo/gakko/yochien/kuritsuyochien.html (アクセス日: 2026-02-28)